「楽典」の学びの全体像
今回の投稿から音楽の理論、すなわち楽典のお話を始めていきますが、その前に、私が今回お伝えしようと考えている楽典の内容、すなわち全体像をお話ししておきたいと思います。
あなたが初心者であっても、最初から順番通りに学んでいただき、繰り返し学びの振り返りを行うことによって、楽曲を深く解釈するために必要な楽典の知識を身につけていただければと願っています。内容は、大きく5つに分かれています。
- 「楽典基礎講座」
- 「音程」
- 「音階」
- 「和音」
- 「調の関係」
これらを、あなたにわかりやすく説明をしてきます。
あなたが初心者であっても、最初から順番通りに学んでいただき、繰り返し学びの振り返りを行うことによって、楽曲を深く解釈するために、必要な楽典の知識を身につけていただければと願っています。
楽典基礎講座
まずは「楽典基礎講座」の内容です。
音の長短について | 音符・休符・連符 |
音の高低についてⅠ | 五線と架線・音部記号・譜表 |
音の高低についてⅡ | 音名・変化記号・派生音 |
音の強弱についてⅠ | 拍子の種類・拍子のとり方・ 拍子とリズム・強起と弱起 |
音の強弱についてⅡ | 音の強弱記号・演奏上における記号 |
楽譜と音符の略記法について | 楽曲の反復・オクターヴの高さの省略・音符の略記・休符の略記 |
速さや曲想の指示法についてⅠ | 速度記号・速度標語 |
速さや曲想の指示法についてⅡ | 発想標語 |
ここでは、楽譜に書かれている情報、すなわち音符や記号を始めとする、さまざまな記譜上の内容について、詳しくお話をしていきます。
今、「記譜」と書きましたが、「記す」と言う字に譜面の「譜」と書きます。
これは、音楽を視覚的に書き表すための方法だと覚えておいてくださいね。
楽典基礎知識の学習内容は、かなりのボリュームになりますが、一つ一つ丁寧に覚えるようにしてください。
この内容は、今後、音楽を学ぶためには、避けては通れない部分です。
音 程
続いて「音程」の内容をお話しします。
ここからいよいよ、音楽の理論的な内容に入っていきます。
さて、その内容を見てみましょう。
音程Ⅰ | 音程の種類・音程の表し方・音程の測り方・音程の区別・音程の世界 1 |
音程Ⅱ | 長短音程の判別方法・完全音程の判別方法 |
音程Ⅲ | 音程の世界2・変化記号の導入 |
音程Ⅳ | 音程判別の実践 基礎編 |
音程Ⅳ | 音程判別の実践 応用編 |
音程Ⅵ | 転回の基本・1度から8度までの音程の転回・協和音程と不協和音程・複音程 |
音程については、6つの内容に分けて説明をしていきます。
音程の知識は、今後お話ししていく、音階や和音を始め、全ての音楽理論の土台になります。
ですから、十分に理解できるまで、繰り返し繰り返し学習をする必要があります。
音 階
音階は4つの内容に分けて、説明をしていきます。
音階Ⅰ | 音階とは何か・主要音の名称 |
音階Ⅱ | 長音階 ・嬰種長調・変種長調 |
音階Ⅲ | 短音階 ・嬰種短調・変種短調 |
音階Ⅳ | 短音階と長音階の関係・自然短音階・和声的短音階・旋律的短音階 |
あなたが、ここまで学んで来たら、そろそろ「音楽の世界がどのように組み立てられているのか」ということが、何となく理解できるのではないかと思います。
また、「音楽の世界の深み」も感じ取ることができるようになって、どんどん興味が湧いてくるはずですよ。
和 音
さらに続いて、「和音」の説明に入ります。
和音は5つの内容に分けて説明します。
和音Ⅰ | 和音とは・三和音・三和音の条件・三和音判別の実践・七の和音 |
和音Ⅱ | 音階上の三和音・主要三和音と副三和音・三和音の所属する調・音階上の七の和音 |
和音Ⅲ | 音階上の三和音・長三和音の所属調・短三和音の所属調・減三和音の所属調・増三和音の所属調和音 |
和音Ⅳ | 七の和音・音階上の七の和音・九の和音 |
和音Ⅴ | 和音の転回とは・三和音の転回・七の和音の転回・九の和音の転回 |
和音の基本的な姿である三和音、さらに7の和音について重点的にお話をしていきます。
この和音の内容が理解できると、音楽そのものがより色彩豊かに、また、立体的に感じ取ることができるようになります。
調の関係
最後は「調の関係」についてお話いたします。
調の関係Ⅰ | 五度圏・平行調・属調・下属調・同主調・関係調 |
調の関係Ⅱ | 特徴音・長調の関係調の特徴音・短調の関係調の特徴音 |
音楽における調性は、メロディーや和音が、主音(ハ長調ならばド)と関連付けられて作られているわけですが、伝統的な西洋音楽において、長音階を用いる調が長調であり、短音階を用いる調が短調です。
また、西洋音楽で使われる調は、長調短調合わせて、24調あります。
それらが互いにバラバラに存在しているのではなく、グループのようなものを作っているわけです。
24調の内で、たとえば、ある調から「特に近い」と感じられる調性感をもつ幾つかの調のことを関係調または近親調と呼びます。今回は、それら関係調の関係性を見ていきます。
また、関係調以外の調を「遠隔調」といいます。
音楽大学の入試問題には「調判定」というものが有り、これがなかなか慣れないと難しいので、その調に備わる固有音「特徴音」についても最後に触れておこうと思います。ここは、ちょっとだけ難しい内容になります。
さて・・・楽典の内容を、ざっと見てきましたが、いかがでしたか?
学びの注意点
ここからは、楽典を学んでいくうえで注意していただきたいこと、心がけていただきたいこと、そのような内容についてお話しさせていただきます。
先ず、学びにあたっては、なるべく順番通りに学習をしてください。
楽典の知識の、ある一部分を身に付けたとしても、あまり意味はありません。
部分的な知識だけでは、楽曲を十分に分析・解釈(アナリーゼという)することはできません。
楽典の全ての知識を理解して、実際に演奏に生かすためには・・・その学びにはすべて流れが備わっています。・・・流れが必要なのです。
全ての部分的な知識は、積み上げられ、それぞれが作用しあって、あなたの理解を深めながら、楽典の知識の全体像を作り上げていくのですね・・・。
ですから、一歩ずつ階段をのぼるように、最初から順番に学んでいってください。
ひとつ新しいことを学んで理解したら、それを踏み台にして、さらに一段高いステップに上っていくという考え方が大切です。
特に、楽典を学ぶ初心者の方は、必ず学ぶ順番を守ってください。
楽典基礎講座=音楽の基礎知識
一番最初に学ぶ「楽典基礎講座」は、これから楽典を学んでいくための基礎知識になるものです。
例えて言うならば、どこかよその国に留学をして何かを学ぶとします。
外国に行くと日本語は通じませんので、必ず現地の言葉でコミュニケーションをとらないといけませんね。
留学先の学校でもそうです。
いくら学びたいことがあっても、まず前提条件として語学力がないと話になりません。
「楽典基礎講座」とは、そのようなものだと考えてください。
音程=音楽理論の基礎
「楽典基礎講座」の内容を学んだら、次は必ず音程を学んでください。
これは必ずですよ!
何故ならば、「音程」の知識は、様々な音楽理論を学んでいく上で、すべての土台となるからです。
音程の知識の上に、その他の理論的な内容が積み重ねられて行くんです。
逆に、「音程の知識」がないと、音階や和音等は理解できません。
小学校の頃の算数の勉強を思い出してください。
たくさんのことを小学校の時代に学びましたが、いちばん最初に、小学校1年生の時に学ぶ内容はどういうものでしたか、例えば・・・。
太郎くんが、りんごを1つ持っています。
花子ちゃんも、りんごを1つ持っています。
りんごは、合わせていくつありますか?
(太郎、花子は時代ががってますが、今の教科書はどうなってるでしょうね?)
・・と、そのような内容ですね。
そこで1+1=2ということを理解するわけです。
その考えが土台にあって、初めて2+3=5とか、さらに掛け算や割り算等を理解することが可能となるわけです。
音程を理解することは、まさしく音楽理論上の、「1+1=2」を理解することに等しい内容です。
ですから、「音程」をしっかり学んで、それから先に学んでいく「音階」や「和音」等の学習に対応できる力をしっかりと養ってください。
もう少しお話を続けたいのですが、少し長くなってきたので、今回はこのあたりで一区切りいたします。
続きは、次回の投稿でお話させていただきます。
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