音の長短についてⅠ

初めに、楽譜には

・音の時間的長さ・・・音の長短

・音の高さ・・・音の高低
・音の大きさ・・・音の強弱

が表されます。

それら、楽譜で示される基本的な内容を、楽典基礎講座では順に説明していきます。

それでは、最初の説明・・・「音の長短について」お話しをします。

説明の内容は、音符・休符・連符についてです。

音符(名前・形・割合)

 まず音符ですが、音の長さを示すには、音符を使うということは、ご承知の通りですね。

 次の表のように、音符には、名前があり、それぞれ音の長さの割合が示されています。

  それぞれの音符の形も確認してください。

 そこで、一番上にある全音符を基準として、この全音符に、仮に1という値を置くとすると・・・

 以下の音符の長さの割合は、赤枠内のようになります。

この割合を、図の右側のように、目で見て良くわかるグラフに示しましたので、確認してみると、上の全音符から、順々に短くなっていることがわかりますね。

 音符(名称の理由)

さて、これらの音符ですけども、あなたはどういうふうにして、それぞれの名前が付けられているのか、ご存知でしょうか? 

全音符は、一番長い音符ですね・・・

そして、その全音符の半分の長さ、つまり全音符を1/2に分けた長さの音符だから、これを、二分音符というふうに名付けられているわけです。

 同様に四分音符は、全音符の長さの1/4の長さということで名付けられています。

八分音符も十六分音符も同様の理由・・・つまり、「全音符を幾つに分けた長さなのか」・・・ということで、それぞれ名前が付けられているのです。 

拍の考え方

今度は、拍という立場から考えてみてみましょう。
拍子をとるときに、一拍・二拍なんてよく言いますよね・・・。
通常の場合、四分音符を1拍と捉えることが多いですね・・・そこで

 ・全音符 ・・・四分音符の4倍だから・・・4拍
・二分音符・・・四分音符の2倍だから・・・2拍
 ・八分音符・・・四分音符の1/2倍、半分の拍だから・・・1/2拍(0.5拍)

このように捉えていくということですね。 

先程、「音符には、名前と形と、長さの割合がある。」と書きましたが、音符の長さの割合は、「全音符から始まって、全て二等分されている」ということを覚えておいてください。

全音符から次々に二等分されて、それぞれの長さの音符は、「全音符を幾つに割った長さになるのか」ということで、名前が付けられているということです。

音符の名称

ここで音符について、その音符が作られているパーツの名称を確認しておきましょう。

①・・・符頭 通常は「たま」と言います。
     五線上に配置された位置で、音高(音の高さ)を示します。
②・・・符幹 通常は「ぼう」と言います。
③・・・符尾 通常は「はた」と言います。

付点音符について

次は、付点音符について理解しておきましょう。

 付点とは、それぞれの音符に、さらに1/2の長さを付け加えることを示すために、「たま」の右側に、点を1つ付けたものです。
これを、付点音符といいます。

赤の矢印で示した付点は、全音符の半分の長さの、二分音符を表します・・・

先ほど申し上げましたが、全音符は4拍、二分音符は2拍ですので、足して6拍の長さが付点全音符というわけです。

 以下、そのような考え方を、それぞれの音符に当てはめると・・・

・付点二分音符・・・二分音符+四分音符・・・3拍
・付点四分音符・・・四分音符+八分音符・・・1.5拍
・付点八分音符・・・八分音符+十六分音符・・・0.75拍
ということになります。

 複付点音符について

さらにさらに、複付点音符というものも出てくるわけですね。 

複付点というのは、これですね・・・

赤矢印で示した、点点の右側の点です・・・
これが複付点になります。
 この複付点というのも、やっぱり付点音符と同じ考え方をします。

どういうことかと言いますと、付点というものは、先ほど書きましたね・・・もとあった音符の半分の長さ、つまり全音符にしてみれば、二分音符が、付点になるわけです。 

ですから、その付点である二分音符の、さらに半分の長さ・・・つまり、もとの全音符の1/4の長さ、つまり、四分音符・・・これが複付点になるわけですね。 

複付点全音符の場合、4拍の全音符と2拍の二分音符、そして1拍の四分音符を加え・・・4拍+2拍+1拍ですから、全部で7拍になるといのが、複付点全音符です。 

そのような考え方で、他の二分音符や四分音符も、複付点音符の場合は、このように考えていけばいいということです。

もっとも、複付点四分音符や複付点八分音符となると、なかなか感覚的にとらえることは難しいですが、理論的にはこのような、音符の長さの割合になるということですね。

休 符

次は休符です。

 音楽の進行中に、音を出さない箇所や部分を示す記号を休符と言い、音符と相対的に、名前、形、長さの割合があります。 

今、音符と相対的 に休符の名前、形、長さの割合がある・・・と書きましたが・・・先ほど見た音符を思い出してください。

それに呼応する休符の名前がこれらです・・・。 

全休符とは、全音符と同じ長さ、つまり4拍分の長さを休むということですが、ちょうど帽子をひっくり返したような形ですね。 

そして、全休符をぐるっと、上にひっくり返した形が二分休符で、二分音符と同じ長さになります。 

四分休符と八分休符を描くことができますか?

描き方を動画に撮りましたので、ご覧ください。

四分音符は下から上に向かって、勢いよく描きます!

八分休符は、まず点をつくって・・・ぐるっと下にもっていきます。

描く練習もしてみてください。 

音符と同様の考え方で、付点休符や複付点休符もあります。

 ある曲の、ある部分に書いてある音符の長さ・・・それは、拍子記号や速度記号で決められた、楽曲の速さによって決まるからです。

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