「音の高低について」の内容は、2回のシリーズに分けてお話ししますが、先ず1回目としまして
・五線と加線
・音部記号
・譜表
についてお話しします。
さあ、今回も頑張っていきましょう!
五線と加線
まず五線と加線についてお話をいたします。
五線とは、五本の直線を同じ間隔で並行に引いたものを言い、線上や間(かん)に音符を書き入れ、音符の高低を表します。
五線の下は低い音、上は高い音を表します。
5本の線の読み方は、一番下から第1線、第2線、第3線、第4線第、第5線と読みます。
そして、この線と線の間の部分を、これは「かん」と言います。
下から第1間、第2間、第3間、第4間このように呼ぶわけですね。
また、五線よりも高い音、低い音を書く場合は、加線を使います。
加線は、五線の上、または下に短い線を五線と同じ間隔で引き
五線四間では表すことが出来ない音域の音を示す為に用いられます。
5線で示す高さよりも、さらに高い音は加線を使い、五線の上に線を引っ張って高い音の高さを表すわけです。
1本2本3本4本と、加線は増えていき高い音を表していくわけですね。
そして一番最初の加線が上(かみorうえ)第1線、その上が上第2線、上第3線と積み重なっていきます。
同じように、第5線と上第1線との間、及び、上第1線と上第2線の間は、
上第1間、及び、上第2間という呼び方をします。
逆に低い音ですが、この第1線よりも低い場所にも加線を引いて、五線では表せない低い音を示します。
これは下(しもorした)第1線、下第2線とこのように呼んでいきます。
上(かみ)と同じように下(しも)も、第1線と下第1線の間が
下(しも)第1間、その下が下(しも)第2間、とこのような呼び方をします。
このように、五線よりも高い音、低い音を書く場合は、上または下に加線を使って表します。
西洋音楽全般において、この線と間によって、音の高低を表していくわけです。
音部記号
続きまして、音部記号です。
五線の上、または間の上に書く音符の高さと、音の名前を決めるために、譜面の最初に書く記号を・・・音部記号と言います。
音部記号について、詳しく述べれば、数多くの種類がありますが・・・
歴史と共に、使われなくなったものも多くあり、ここでは、現在用いられている音部記号に限って、お話しします。
有名なものは、ト音記号とヘ音記号でしょうね。
通常の楽譜では、高音部を示すために、ト音記号(高音部記号)そして、低音部を示すためにヘ音記号(低音部記号)それらの音部記号を用います。
①ト音記号
ト音記号というのは、おなじみのこのマークですが・・・どういう意味なのかというと・・・
「第二線上の音を、ト音という音名の位置である」ことを決める記号です。
ト音というのは、ハニホヘト・・・ドレミで言うとドレミファソの音を表す記号です。
ト音記号は、第2線上の音を、ト音・・・つまりソの音にする記号ということです。
②ヘ音記号
ヘ音記号というのも、同じ考え方をします。・・・つまり・・・
ヘ音記号は、「第四線上の音をへ音という音名の位置である」ことを決める記号ということです。
ヘの音を表す、ハニホヘ・・・つまりファです。
第4線上の音をファの音にする、というのがへ音記号です。
さあ、それぞれの記号を見て、じゃあどの位置がソの音で、
どの位置がファの位置かを見てください。
ト音記号とヘ音記号の描き方を動画にしましたので御覧ください。
今見てきた、ト音記号とへ音記号ですが、どうしてその形になったかというと・・・
それは、もともとの文字を、オシャレに記号化したものなんですよ。
先ず、ト音記号の形ですが・・・
日本語で言うところのト音(ソ・ファはイタリア語)というのは・・・
英語では→ G(ジー)、ドイツ語でも→ G(ゲー)で、同じアルファベットです。
そして、ヘ音というのはファですね・・・
これが英語では→ F(エフ)、ドイツ語でもやはり→ F(エフ)です。
そのアルファベットがですね、崩れていって・・・
ト音記号の姿・・・
へ音記号の姿・・・
ちょっと苦しいですけどね・・・崩れていって、この姿になったということです。
③ハ音記号
続いて今度はハ音記号です。
ハ音ですから、ドを表す記号です。
このように上から、くるんくるんとこうなっていますね、うえからクルンクル・・・このちょうど赤い矢印で示した継ぎ目の部分がハ音、ドの音を表します。
これは、外国音名の Cの字を模様化したものです。
ハ音記号は、いくつも種類がありまして、楽器や歌声の音域(音を出す範囲、歌では声域という)の違いにより、次のようにハ音の位置が決められていて、それぞれ相応しい高さを表すハ音記号があるのです。
ハ音記号を付ける楽譜は、中音部楽器や特殊な声楽の楽譜以外
一般的には使われない音部記号です。
譜 表
続いて譜表です。
先ほどお話ししましたト音記号で書かれた譜表をト音譜表と言いますね。これは高音部譜表ともいうわけです。
へ音記号で書かれた譜表をへ音譜表、低音部譜表ともいいます。
このト音譜表とへ音譜表、高い部分を受け持つ譜表と、低い部分を受け持つ譜表が合わさった形を、大譜表といいます。
これは、ピアノの楽譜でおなじみですね。
ヘ音譜表とト音譜表がミックスされ、合体した形ですね。
続いて、大譜表と鍵盤の関係を見てみましょう。
譜表に鍵盤を照らし合わせていったものが上の図になるわけですね。
鍵盤の各音は、高い音の方へ、または低い音の方へ、8つ目ごとに同じ音名の鍵盤が並びます。
同じ名前の音、つまりハニホヘトイロの次は、ハニホヘトイロ・・・というようにですね。
ハロイトヘホニの下もハロイトヘホニ、このように並んでいるわけです。
つまり順に上がっていって8つ目に同じ名前の音、順に下がっていっても同様に8つ目に同じ名前の音になっています。
これを同名音といって、低い音と高い音の振動数(Hzヘルツ)の比が1:2となります。
これは、音の高低の開きはあっても、同名音は同じ性質の音です。
(※1Hz=1/1秒の振動数)
これについての詳しい内容は、また先でお話しします。
ある音から始まって、上に8つめの音、または下側に8つめの音・・・それぞれの開いた幅のことを、1オクターブといいます。
オクターブについての詳細は、「音程」のところでお話ししますが、1オクターブ=完全8度という、共通した音の開きを持っているわけですね。
最後にお見せする、これがですね、総譜、スコアといいます。
この総譜は、なぜ必要かと言いますと・・・例えばオーケストラのような、たくさんの楽器で演奏する場合に、すべての楽器を見通せる音符の一覧が必要になります。そのために用いられるのがスコア、総譜というものです。
スコアでは、各パートの楽譜が縦に並べられています。緑の枠で示したところを見てください。
各パートが同時に演奏されることを示すために、五線の左端が縦線でつながれ、小節線は縦一列に整列されています。
そして、各段の左端には、演奏または歌われるべきパート名が記されています。
楽器名が明記されるようになったのは、16世紀末からなんですね。
中世では、どのような楽器も、歌の代わりか補助に過ぎず、楽器パートは、手近にある楽器を用いて演奏していました。
音楽の歴史についても、たくさんお話ししたいところですが、それは別の機会にさせていただきます。
今回は、「音の高低について」・・・その1回目
・五線と架線
・ 音部記号
・譜表
についてお話ししてきました。
最後までご覧下さりありがとうございました。
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